日本では高齢化が深刻な問題となっています。多くのDINKs夫婦にとっても懸念材料の一つでしょう。
親の介護に備えるためには、どれくらいの資金が必要でしょうか。
一般的な介護費用
一人当たりの介護費用は、一般的な合計金額として500万円以上と考えられています。
2020年の日本人平均寿命は女性が87歳を超え、男性は81歳を超えました。医療の進歩によって今後さらに伸びる可能性もあります。ここで仮に介護期間を10年と考えた場合、最低でも年間で50万円はかかる見込みです。
介護費用と医療費については、介護保険や医療保険からの給付もあります。所得額や介護度など様々な条件によって給付額は異なりますが、標準的なケースであれば年間の支払い限度額は56万円です。
ただし介護には保険対象外となる費用も多くあります。たとえば自宅で介護を行うのであれば、バリアフリー改築やベッド購入なども必要です。生命保険文化センターの2021年度の調べによれば、これらの初期費用には平均で74万円がかかります。
500万円から600万円をベースと考え、それ以上の費用がかかることを前提に見積もりを立てておくべきでしょう。
DINKsが備えておくこと
夫婦の貯金額の把握
DINKsのメリットでもありデメリットでもある面の一つが、お互いの資産に関してあまり介入しないことです。自由な夫婦生活を謳歌するための特徴的な部分でもありますが、いざ両親の介護が必要になったとき、二人ともあまり貯金がないと判明して生活が一気に困窮する恐れもあります。
両親の介護について話し合うタイミングはそれぞれです。持病や病歴のある親であればきっかけは作りやすいでしょう。高額な介護費用が必要になった場合にも対処できるよう、互いの貯蓄を把握しておくに越したことはありません。早い段階で現在の資産状況が分かれば、今後の家計のやりくりも慎重に行えるようになります。
介護費用の想定
一般的な介護費用は統計によってある程度確認できます。しかし自分やパートナの両親がどのような状況や状態にあるのかは世帯によって様々です。
たとえば両親にある程度以上の貯蓄があり、介護保険などによる備えも万全である場合、子供世帯の夫婦には金銭面での負担があまりかからないケースもあります。介護に必要なお金に関しては両親に一定額の自己負担をお願いしやすいため、そこまで大きな不安を抱くことなく介護に専念できるでしょう。
しかしその一方で、両親にはあまり多くの蓄えがない場合もあります。仮に両親が自営業者だった場合には年金給付もそこまで大きな頼りにはならないため、その子供であるDINKs夫婦の世帯にかかる金銭的負担が多くなりがちです。
どれだけの手助けが必要であるかも個人差が大きく、病歴などとは無関係に負担の程度を見積もりにくいのが将来の介護の特徴とも言えます。そのため自分たち夫婦の家計以外にも、両親の金銭的状況はある程度想定しておいて損はないでしょう。
実際に介護が必要になった場合の話し合い
どの程度の介護が必要になるのかはその時が来てみなければ分かりません。今は元気な両親が、将来もしも要介護の状態になったときのことを事前に話し合う必要もあります。
仕事をどうするかという点は慎重に意見を出し合うべきでしょう。万が一の時はどちらかが仕事を辞めるのか、一方が会社を退職した場合に退職金はどれくらい入りそうか、その後の収入面はどうなるかなど、考えることはいくつもあります。
DINKsのようにそれぞれに安定した収入があると、高額な退職金が入りやすい一方で毎月の収入には大きな変化が訪れることになります。退職金のやりくりに加え、シングルインカムでどのように家計を回していくか想定しておくべきです。介護費用をある程度大きく見積もっておくと、いざというときに落ち着いて行動できます。
まとめ
介護には多くの費用がかかります。実際に直面した時になって慌てないよう、夫婦で事前に話し合いましょう。費用を低く見積もりすぎないこともポイントです。
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